山本ユキコの子育てフィロソフィ

子育てを会社でシェアしよう。子育ての体系的な知識と知見を会社でシェアして、働きやすい企業文化を育成

仕事と同じようにチームで子育てに取り組む組織作り: 子育て支援は国の仕事では?

f:id:kosophi:20160809110829j:plain

事務局長「でも、子育て支援って、国の仕事だよね。企業がするなんておかしいのでは?」

f:id:kosophi:20160809110920j:plain

企業の子育てに理念を作る 子育てフィロソフィ代表心理学博士の山本ユキコです。

まったくもって、その通りですよね。

例えば、フランスは1994年にシラク3原則という、制作を打ち出しました。

1つ目が子どもを持っても新たな経済的負担が生じない。

2つ目は、無料の保育所を完備、

3つ目は育児休暇から女性が職場復帰する際、ずっと勤務していたものとみなして企業は受け入れる。

そして、婚外子を差別しないという政策もパッケージで導入したそうです。すると、1.66までに減った出生率が10年で2パーセントまで回復したそうです。

これは、人口の減少を移民で補っても、フランス語を第一言語で話す人がいなくなることで、フランス文化が消滅する。フランス語を話す人間を増やすことで、文化を守るんだ。ということが背景として議論された結果だそうです。

wedge.ismedia.jp

上記の記事の出口さんが言う通り、日本もフランスの真似をして、国が徹底した子育て支援に乗り出せ。と、声を大にして言いたいです。

しかしでは、明日から日本でシラク3原則のような政策が制定されるでしょうか。待機児童一つ、スムーズに進まない現状を見ると、正直しばらく無理だと思うのです。

私は、10年間、母親の子育ての現場を見てきました。現状は、どんな美談で飾っても、子育ては苦行です。すぐにでも改善しなくては、出生率は増えません。

国に働きかけるのはもちろんですが、正直すぐに無理なら、まずは企業で、「仕事と同じように、子育てに取り組む組織」を作りましょう。できるところから、手を尽くすことが今必要なのです。

企業も、今、社員の子育てに本気で力を出すことで、子ども達の世代にとって、孫の世代にとって、日本を暮らしやすい国に変えることができます。

山本ユキコを企業研修に呼んでください。子育てを会社でシェアする取り組みにつてお話します。現場からのご意見を聞かせてください。

「子育て支援企業」ではなく「子育て企業」に 理念2:仕事と同じように、チームで子育てに取り組む組織づくり

f:id:kosophi:20160809110829j:plain

理事長「子育てって、母親が一人で立派にしてきたものでしょう?企業がチームで子育てするなんて、聞いたこともない。非現実的すぎるよ」

 

f:id:kosophi:20160627185610j:plain

 

企業の子育てに理念を作る 子育てフィロソフィ代表 心理学博士の山本ユキコです。

子育ては、本来チームで行うものです。母親一人で子育てをすることは、文化的にも、進化論的にも、生理的にも無理なことなのです。

 

kosophi.hatenablog.com

児童虐待数が10万件突破し、25年連続で最多更新を繰り返していることは、この「母親一人が立派に子育てする」という考え方が行き詰っていることを間接的に示しているものでしょう。子育てを変えるには、今までのやり方をドラスティックに変える必要があります。

もともと、日本では子育ては地域や血縁のチームで行ってきました。しかし、現在地域や血縁の子育てチームは消滅しています。多くのNPOや政府の大家族や、地域社会ででの子育てを復活させる取り組みは、社会を変えるほど成功しているとはいいがたいところがあります。

ファミリーサポート

もちろん、成功している取り組みもあります。例えばファミリーサポートという行政が仲介する、子育ての有料ボランティアの登録システムです。このシステムは、地域の祖母世代が中心の子育て支援ネットワークで、子育て支援をしたい主に祖母世代などの方たちが、自治体の支援を受けた事務局に、ボランティア登録します。そして、同じく登録をしている子どもの母親が、仕事復帰などで突発的な子どもの世話をする手が必要な時に、そのボランティアさんに、子どもの世話をお願いをする仕組みです。私も、このシステムは一人目の子どもが2歳のころまでよく使用し、保育園の預かりがないときに、とても重宝しました。

しかし現実的には、祖父母の手が借りられない、働く母親のギリギリの部分を支えるセーフティネットであり、すべての母親が利用しているほどは普及しておらず、全体を変えるほどのものでは、残念ながらありません。

全体を変えるためには企業の力が必要

子育てのチームをすべての母親にいきわたらせ、母親が、出産を経て育児中でも無理なく仕事に復帰できるために一つの突破口は、企業が社員の子育てに乗り出すことです。

具体的には、ファミリーサポートに準じた取り組みを、産休前の母親向けに企業内で行い、産休前に社員同士で子育てを助け合うグループを作るのです。そのグループで子育てに関する理念や事例や約束事項を共有する研修も行い、安心してお互いが子どもを預け、預かることができる仕組みを作っておくのです。

すでに、ファミリーサポートという全国に広がる公的な組織があることから、企業向けに少しアレンジをしてシステムを取り入れればいいので、そこまで無理なこととは思えません。

子育て支援企業なんて、子育てを他人事にする言葉ではなくて子育て企業として、社員の子育てを企業の責任であるとまで思ってほしいのです。

子育てフィロソフィ代表 心理学博士山本ユキコについて

子育てを会社でシェアしよう 子育てフィロソフィ代表 心理学博士山本ユキコです。

f:id:kosophi:20160627185610j:plain

私は、母親向けの心理学講座をしていました。自分の体験で納得でき、救われた内容だけをまとめ、オリジナルの講座を作成。


産後クライシス、育児ストレスコントロール。しつけ、寝かしつけ。発達。個性。と、体系的な子育ての知見を通して母親を自分自身を縛る迷信から解き放ち「自分で子育てをコーディネートして使える方法」を伝えてきました。

講座を聞いた母親たちから「どの話よりも納得できた」「肩の荷が下りた」「先生に会えてよかった」とありがたい賛辞を受けました。

この母親向けの活動はとてもやりがいがあるのですが、しかし、学びで心がラクになって、子育てがラクになる具体的な方法論を母親伝えても、やっぱり子育ては一進一退の攻防戦。相変わらず大変なのです。

もともと子育てが苦手なタイプの私は、いくら学びの力を総動員しても、2歳のイヤイヤ期の子どもを丸一日見ているだけで、正直、夕方にはどうしようもない焦りと疲弊で叫びだしたくなります。

どんな学びによる力も、子育ての根本的な解決にはならない。結局は一時しのぎではないのか。
と、ずっと活動の中で迷っていました。

子育てはチームワーク

この問題の根っこには、もともと日本では、いや、人類は脈々と子育てをチームで行ってきたことです。現代の様々な子育てに関する問題は、もともとチームでするべき子育てを核家族化が原因で母親一人、もしくは父親と二人っきりで子育てと家事をしているから生まれるものです。

根本的な解決法は「子育てはチームでする」ことです。しかし、いまやそんなことはきれいごとです。血縁や地域が子育てチームとして機能しない今、夫婦という最小単位で子育てをするしかなく、母親も父親も疲弊しきった消耗戦で乗り切るしかありません。子育てに手がかかる、赤ちゃんから2歳、いや、幼稚園や小学校の低学年まで。母親向けの子育て支援の活動は、正直、限界を迎えていることが、この10年の活動で骨身にしみました。

子育てを会社でシェアしよう

出口のない事態に悩んでいた時に、ふと「子育て支援企業」と国をあげて推進していることが目に入ってきました。いっそのこと企業が子育て支援企業」から「子育て企業」に転身して、「会社で子育てもシェアする」仕組みを日本の基本にしたら、すべての問題は解決するのでは


突飛な思い込みのように感じたのですが、具体的な最初のとっかかりとしては、全国に普及しているファミリーサポート(行政が行う、地域の子ども預かりのボランティア育成と紹介)の仕組みをアレンジして、会社に入れればいいのではないか。よく考えたら十分実現可能なアイデアです。


まずは企業の研修で子育ての体系的知識を社員で共有することによって、子育て中でも働きやすい風土を育成することができるでしょう。そして、子育てについてそこまで理解のある企業ならと、その企業には優秀な人材が集まりやすくなるだろうし、企業にとってもメリットが十分あります。


子育ての問題の根本的な解決へ


この仕組みが実現すれば、今の子育ての問題の原因である「母親一人、もしくは夫婦の二人という少人数で子育てをする」に対して、根本的な問題解決になり、世の中を変えることができるでしょう。


働いている会社によって、初めての子育てから、子育てのためのチームが編成され、利用することが可能だったら。いや、そのチームで子育てをやっていると思えるなら。それは、子育てが初めての初心者でも大きな力になるはずです。「会社で子育てをシェアする」仕組みが実現すれば、子育てはずっと楽になる。


働きやすい企業文化を育成

そして、企業も育休・産休中の社員が働けるシステムは取り入れた。しかし、今までの企業文化が邪魔をしているのか、いまいち上手く回らない。そのような悩みを抱えているところは少なくないのではないでしょうか。


そこで、企業内で子育ての体系的な知識と、職員の子育てをシェアすることで、子育て中も本当に働きやすい企業文化を育成できると考えます。

 

「子育ては楽しい」と心から思える日本を作るために、企業のお力が必要です。どうぞ、一緒に子育てしやすい国を作って行きましょう。

子育てフィロソフィ 
代表 山本ユキコ

 

プロフィール

○北九州大学(現北九州市立大学)文学部人間関係学科卒
九州大学大学院人間環境学研究科修士・博士課程修了 博士号取得
○学術振興会特別研究員・岡崎国立生理学研究所(現自然科学研究機構生理学研究所)心理生理学部門研究員・科学技術振興機構脳科学と教育研究員・九州大学ベンチャービジネスラボラトリ(現ロバート・ファン/アントレプレナーシップ・センター)研究員と、研究職を歴任。その後、子育て支援に転進し2000人以上の親子を指導。


○子育てフィロソフィ代表
現在は企業向けに、子育て支援企業から、子育て企業への転換を図るための活動を開始。「子育ては会社でシェアする」をキャッチフレーズに「企業の社員の子育ても、企業の仕事の一部」と、職員の子育てのチームを企業で組織する活動を推進しています。


○著書  

出産・育児ママのトリセツ 〜「子どもができて妻が別人になりました」というあなたへ

出産・育児ママのトリセツ 〜「子どもができて妻が別人になりました」というあなたへ

 

 

赤ちゃんがぐっすり寝てくれる奇跡の7日間プログラム

赤ちゃんがぐっすり寝てくれる奇跡の7日間プログラム

 

 

HP: 子育てフィロソフィ

http://kosodate-p.com/profile