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山本ユキコの子育てフィロソフィ

子育てを会社でシェアしよう。子育ての体系的な知識と知見を会社でシェアして、働きやすい企業文化を育成

母親一人の子育ては、文化的にも、進化論的にも、生理的にも無理なことです

子育てはチームで行うもの。企業で子育てをシェアしよう。子育てフィロソフィの山本ユキコです。

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 私のやっている子育てのクラスには、看護師としてストレスの多い現場を取り仕切っていた人や、保育士として10年以上働いている人が、育休産休中に来てくれることもありました。その、非常に高い対人ケアとその管理能力を持つ専門家だったりする人が「子育ては仕事のように上手くいかない。自分はダメなんだ」と考えています。

 それって、本当におかしなことです。子育ては機会があれば、誰でもすることであるはずです。人間が生物として増えていくには、子どもを育てることはとても楽しくて、誰にでもできることでないといけないはずです。

 そうでないと、人口が増えず、今のように、地球上で繁栄することはできていないはずなのです。それが、今や、対人ケアに高い専門性を持つ女性ですら「自分はうまくできてない」という。

 そんな「できない」ことを子育ての場面で要求されるのが、当たり前だと思っている。そんなことは人が生物として遺伝子を残していくためには、あってはならないのです。

文化的に無理

 もともと日本では家長制度という大家族で家庭を維持するやり方をしていました。家事と育児を多人数のチーム、そしてそのチームの集合体の地域で、脈々とおこなってきたのです。日本の子育ては、大人数で行うことを前提として作られていました。それが戦後、急に核家族化がすすみ、ここ数世代、母親が一人で子育てと家事をこなすという、文化的に無謀なことをしているのです。

進化的に無理

 NHKスペシャル「ママ達が非常事態」で、京都大学松沢哲郎教授は、ヒトは「共同養育」というスタイルをとるように進化したと言っています。昔ながらの狩猟採集をしているカメルーンの部族のフィールドワークで、赤ちゃんを気軽に同じ部族の仲間に預けて森に行き、赤ちゃんが泣くと、ほかの母親が当たり前のように母乳を与えていることを観察しています。日本だけでなく人間は本来、チームで子育てをやっていたのです。

生理的に無理

 そしてさらに、ママの体の中では、妊娠中にたくさん出ていたエストロゲンという、安らぎを感じることを助けるホルモンが、出産すると分泌が激減します。このために、出産後、ママは生理的に、不安や孤独を抱えやすい状態になるのです。この不安は、仲間とつながり「共同養育」をするために感じるのだそうです。松沢教授はこう主張します。

「進化の過程で我々は共同で養育するようにできていて、必要なときには子どもを預けられるようにできている。誰も助けてくれるわけではなく子どもを育てる、そんなことは人間にできない。できるようには作られていない

 文化的にも、進化的にも、生理的にも、「一人で家事も育児もこなす母親になる」そんなことは無理なようになっているのです。

子育てはチームで行うものです。母親だけでなく、まずは家族みんなで。そして本当は2~3人の小さな家族チームよりも、もっと大きなチームで行うものなのです。

地域や、大家族のチームが機能しない今、子育てチームは企業が社員に提供していきましょう。