山本ユキコの子育てフィロソフィ

子育てを会社でシェアしよう。子育ての体系的な知識と知見を会社でシェアして、働きやすい企業文化を育成

子育てフィロソフィ代表 心理学博士山本ユキコについて

子育てを会社でシェアしよう 子育てフィロソフィ代表 心理学博士山本ユキコです。

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私は、母親向けの心理学講座をしていました。自分の体験で納得でき、救われた内容だけをまとめ、オリジナルの講座を作成。


産後クライシス、育児ストレスコントロール。しつけ、寝かしつけ。発達。個性。と、体系的な子育ての知見を通して母親を自分自身を縛る迷信から解き放ち「自分で子育てをコーディネートして使える方法」を伝えてきました。

講座を聞いた母親たちから「どの話よりも納得できた」「肩の荷が下りた」「先生に会えてよかった」とありがたい賛辞を受けました。

この母親向けの活動はとてもやりがいがあるのですが、しかし、学びで心がラクになって、子育てがラクになる具体的な方法論を母親伝えても、やっぱり子育ては一進一退の攻防戦。相変わらず大変なのです。

もともと子育てが苦手なタイプの私は、いくら学びの力を総動員しても、2歳のイヤイヤ期の子どもを丸一日見ているだけで、正直、夕方にはどうしようもない焦りと疲弊で叫びだしたくなります。

どんな学びによる力も、子育ての根本的な解決にはならない。結局は一時しのぎではないのか。
と、ずっと活動の中で迷っていました。

子育てはチームワーク

この問題の根っこには、もともと日本では、いや、人類は脈々と子育てをチームで行ってきたことです。現代の様々な子育てに関する問題は、もともとチームでするべき子育てを核家族化が原因で母親一人、もしくは父親と二人っきりで子育てと家事をしているから生まれるものです。

根本的な解決法は「子育てはチームでする」ことです。しかし、いまやそんなことはきれいごとです。血縁や地域が子育てチームとして機能しない今、夫婦という最小単位で子育てをするしかなく、母親も父親も疲弊しきった消耗戦で乗り切るしかありません。子育てに手がかかる、赤ちゃんから2歳、いや、幼稚園や小学校の低学年まで。母親向けの子育て支援の活動は、正直、限界を迎えていることが、この10年の活動で骨身にしみました。

子育てを会社でシェアしよう

出口のない事態に悩んでいた時に、ふと「子育て支援企業」と国をあげて推進していることが目に入ってきました。いっそのこと企業が子育て支援企業」から「子育て企業」に転身して、「会社で子育てもシェアする」仕組みを日本の基本にしたら、すべての問題は解決するのでは


突飛な思い込みのように感じたのですが、具体的な最初のとっかかりとしては、全国に普及しているファミリーサポート(行政が行う、地域の子ども預かりのボランティア育成と紹介)の仕組みをアレンジして、会社に入れればいいのではないか。よく考えたら十分実現可能なアイデアです。


まずは企業の研修で子育ての体系的知識を社員で共有することによって、子育て中でも働きやすい風土を育成することができるでしょう。そして、子育てについてそこまで理解のある企業ならと、その企業には優秀な人材が集まりやすくなるだろうし、企業にとってもメリットが十分あります。


子育ての問題の根本的な解決へ


この仕組みが実現すれば、今の子育ての問題の原因である「母親一人、もしくは夫婦の二人という少人数で子育てをする」に対して、根本的な問題解決になり、世の中を変えることができるでしょう。


働いている会社によって、初めての子育てから、子育てのためのチームが編成され、利用することが可能だったら。いや、そのチームで子育てをやっていると思えるなら。それは、子育てが初めての初心者でも大きな力になるはずです。「会社で子育てをシェアする」仕組みが実現すれば、子育てはずっと楽になる。


働きやすい企業文化を育成

そして、企業も育休・産休中の社員が働けるシステムは取り入れた。しかし、今までの企業文化が邪魔をしているのか、いまいち上手く回らない。そのような悩みを抱えているところは少なくないのではないでしょうか。


そこで、企業内で子育ての体系的な知識と、職員の子育てをシェアすることで、子育て中も本当に働きやすい企業文化を育成できると考えます。

 

「子育ては楽しい」と心から思える日本を作るために、企業のお力が必要です。どうぞ、一緒に子育てしやすい国を作って行きましょう。

子育てフィロソフィ 
代表 山本ユキコ

 

プロフィール

○北九州大学(現北九州市立大学)文学部人間関係学科卒
九州大学大学院人間環境学研究科修士・博士課程修了 博士号取得
○学術振興会特別研究員・岡崎国立生理学研究所(現自然科学研究機構生理学研究所)心理生理学部門研究員・科学技術振興機構脳科学と教育研究員・九州大学ベンチャービジネスラボラトリ(現ロバート・ファン/アントレプレナーシップ・センター)研究員と、研究職を歴任。その後、子育て支援に転進し2000人以上の親子を指導。


○子育てフィロソフィ代表
現在は企業向けに、子育て支援企業から、子育て企業への転換を図るための活動を開始。「子育ては会社でシェアする」をキャッチフレーズに「企業の社員の子育ても、企業の仕事の一部」と、職員の子育てのチームを企業で組織する活動を推進しています。


○著書  

出産・育児ママのトリセツ 〜「子どもができて妻が別人になりました」というあなたへ

出産・育児ママのトリセツ 〜「子どもができて妻が別人になりました」というあなたへ

 

 

赤ちゃんがぐっすり寝てくれる奇跡の7日間プログラム

赤ちゃんがぐっすり寝てくれる奇跡の7日間プログラム

 

 

HP: 子育てフィロソフィ

http://kosodate-p.com/profile

 

子育てと仕事は別だと思っていませんか:理念1 子育ても仕事も同じようにチームで取り組む会社風土を作る。

 

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経営者

「えっ?職員の子育てを職員が見る?子育てと仕事は別だろう。大事な専門家である職員に、子育ての手伝いをさせるなんて悪いよ。本末転倒だ」

 

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企業の子育てに理念を作る 子育てフィロソフィ代表 心理学博士の山本ユキコです。

子育ても仕事も、「私でなくてはいけない案件」と、「私でなくてもいい案件」があります。

 

私でなくてはならない案件の例は

 

仕事なら

私でなくてはいけないとの約束、クライアント

私でなくてはいけない会議など

 

子育てなら

園・学校行事

子どもの検診など

(家族でこの子育て案件は回すことはできますが、シッターさんなどの外部委託の子育ての人に任せようとするのは、問題が出るケース例です)

 

それぞれ、私が行かなくてはいけないものには、「私が」行きましょう。そして、私でなくてもいいが、誰かが行かなくてはいけない案件はチームメンバーに任せてしまいましょう。

 

私でなくてもいいが、誰かがいかなくてはいけない案件は

 

仕事なら

特に私の発言の必要がない定例の会議

私の必要はない約束やクライアント

 

子育てなら

いつもの子どもの習い事の送迎

突発的な園・学校の休みの時の子どもの見守り

 

「父・母」が子育ての「私でなくてはいけない」案件に取られてしまうなら、仕事を代わりにチームメンバーがフォローすればいい。

子どもの運動会に行く「私」に変わって、定例会にチームメンバーが代わりに出ればいい。

 

仕事の「私でなくてはいけない案件」の時に、子育ての「私でなくてもいいが、誰かが行かなくてはいけない案件」が起こってしまい、ほかに行ける人がいないのなら、会社のチームメンバーが子育ての案件のフォローしましょう。

 

子育ての案件は子どもの父と母が仕事を融通しあいながら、(場合によっては祖父母も入っています)何とか回しているでしょう。でも、突発的な案件が起こりやすいのが子育てです。この子育ての案件にも企業のメンバーがサポートとして入るのです。

 

自分が行かなくてはいけない、クライアントとのミーティングに、突発的な子どもの園の休業が発生して、夫も仕事が抜けられない。「私でなくてもいいが誰かが見ていなくてはいけない」でも、誰もいないでピンチ。という案件には、同じ営業チームのメンバーが、「私」のミーティング中に子どもを見ればOKです。

 

それぞれの案件が仕事か、子育てかをみるより、「私以外に代替可能かどうか」を基準に見て、職員同士がサポートできるようにしてみてください。そうすることで、子育て中の社員が働きやすくなるでしょう。

 

働きやすい職場では、すでに自然発生的に行われています。

cybozushiki.cybozu.co.jp

 

子育て支援策がうまく回っていない: 時短・育休は行動戦略にすぎない。理念の制定を行い、そこから行動を導くこと

理事長

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「最近、育休産休からの復帰率が悪いんだよね。新しい人を雇うより、中堅の職員に復帰してもらった方が全体の効率もいいから、ぜひ、戻ってきてほしいのに。そのために、時短勤務に、育休制度の充実、ついでに、男性に育休取得だってできるシステムは整えたのだけれど。イマイチ利用率も悪い。なんでなんだろう。少子高齢化で、女性が活躍する職場を目指さなくてはいけないのに。みんな、意識が低いのか?」

 

 

子育てはチームで行うもの。企業で子育てをシェアしよう。子育てフィロソフィの山本ユキコです。

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子育てにフィロソフィを 

時短や育休などを取り入れることは、経営に例えるならば「行動計画」の実行部分にあたります。うまくいきそうな行動計画を、他社からそのまま取り入れても、使用する企業に「理念(フィロソフィ)」が不在であるなら、うまく仕組みとして回っていくことは難しいでしょう。

 

経営には「理念」があり、そこから「戦略」・「行動計画」が導かれます。子育て支援も「行動計画」をうまく回していくには、大本になる「理念」を各企業で制定することが必要です。

 

 意識の高い「理念」を持ったなら、それを言語化し、職員に浸透させる過程も必要です。企業の経営理念は、そうやって浸透させてきて、今の文化があるでしょう。子育て支援にも、その過程が必要なのです。

 

しかし、企業で共有する子育ての理念などどのようなものか、見当もつかない。では、科学的に妥当で、子育て支援が回って行くために有用で、企業のための「子育ての理念」と、その実行に必要な「行動計画」をこれから提案していきましょう。