産後クライシスはチャンス
産後クライシスという言葉は、2012年のNHKの情報番組で作られた造語で、出産後から2~3年の間に夫婦仲が悪化するという現象のことをさします。実際、厚生労働省の母子世帯等調査で、0から2歳の時期に離婚する割合が全体の3割程度と一番高いことが明らかになっています。
私の子育てのクラスに来る母親達も、夫との関係についての回には「パパの気が利かない」ことをびっくりするほどの盛り上がりで語り合っています。クラスの皆さんの経験から、危機は「産後から2~3年」というより「妊娠中から小学校入学くらい」まで続いているようです。それまで夫婦関係は、危機的状況、冷戦状態、友好関係を行ったり来たりします。
ちなみに、児童のいる世帯でのシングルマザー、シングルファザーの割合は、全体の7パーセント程度です。その中で、0~2歳の時期に離婚した割合が3割なので、児童のいる世帯の全体の2.1パーセント程度が産後クライシスで離婚したと考えていいでしょう。
100組に2組は離婚を選んでしまいますが、残りの98組は危機を乗り越えて関係を継続しているのです。
産後クライシスというと、産後に離婚や離婚しなくても、夫婦仲が悪くなるという嫌なところに転がり落ちていくようなイメージなのですが、そうではなくて、産後のこの時期に夫婦関係は「恋人」から、「子どもを育てるためのチーム」に関係性を再構築するためのチャンスであると見ることができます。これから先の人生を生きやすくするための試練の時期なのです。
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